赤ちゃんの涙目(先天性鼻涙管閉塞)の原因・自然治癒・手術の時期

生まれたばかりの赤ちゃんの目が、いつも涙でうるんでいる——そんな様子に不安を感じている親御さんは少なくありません。

生まれたばかりの赤ちゃんの目が、いつも涙でうるんでいる——そんな様子に不安を感じている親御さんは少なくありません。

 

多くの場合、原因は「先天性鼻涙管閉塞」と呼ばれる生まれつきの涙道の詰まりです。

自然に治ることも多い一方、適切なタイミングで治療が必要になることもあります。

 

このページでは、原因・自然治癒の目安・治療の選択肢をわかりやすくお伝えします。

まぶたとなみだのクリニック千葉
涙目治療の特徴

  • 小児の涙道治療に対応
    赤ちゃん・お子さんの涙目を専門に診療します

  • 涙道内視鏡による精密検査
    閉塞部位を直接確認しながら処置を行います

  • 年齢と症状に合わせた段階的治療
    マッサージ・ブジー・手術を状態に応じてご提案

監修医師
まぶたとなみだのクリニック千葉
院長 石田 暁

私はこれまで、大学病院の形成外科および眼科の両分野で研鑽を積み、眼形成外科を専門として参りました。涙道疾患・まぶたの形状異常・眼窩の問題など、目の周囲における外科的治療を幅広く手がけています。当院では、患者さんが「なぜ涙が出るのか」を納得した上で治療に進めるよう、丁寧な説明と検査を大切にしています。

目次

赤ちゃんの涙目・目やにが続く原因

赤ちゃんの涙目・目やにが続く原因

赤ちゃんの目が涙でうるんでいたり、朝起きると目やにがついていたりするとき、最初に疑うべき原因のひとつが涙の排出経路の詰まりです。

 

涙は目の表面を潤したあと、鼻の奥へ流れていく管(涙道)を通って排出されます。

この経路に何らかの問題があると、涙が目にたまり、続いて目やにも生じやすくなります。

 

結膜炎など感染症との区別が必要な場合もあるため、症状が続くときは眼科で確認を受けることをおすすめします。

石田 暁 院長

院長 石田 暁

まぶたとなみだのクリニック千葉

1歳後半頃から(体重10キロ程度あれば)全身麻酔が可能になるので手術が可能です。当院で手術した方も1歳が最年少です。受診は生後半年程度からされますが、1歳後半頃(体重10キロ程度)まではマッサージなど保存的に経過をみます。

 

 

先天性鼻涙管閉塞とは(生まれつき涙道が開いていない)

先天性鼻涙管閉塞とは、生まれた時点で涙道(鼻涙管)の末端部分に薄い膜が残ったままになっている状態のことです。
本来この膜は出生前後に自然と開くものですが、一部の赤ちゃんでは開通せずに残ってしまいます。


発生頻度は新生児の約5〜10%とされており、決してまれな状態ではありません。
片目だけに起こることが多いですが、両目に生じることもあります。
見た目には目が常に涙でうるんでいたり、まつ毛が濡れてまとまっていたりすることで気づかれることが多い状態です。


生後まもなく症状が現れるケースが大半で、早い赤ちゃんでは生後数日から目やにや涙目が続くことがあります。

 

 

涙目と目やにが同時に起きる理由

涙は目の表面(結膜・角膜)→涙点→涙嚢→鼻涙管→鼻腔という経路で排出されます。
鼻涙管が閉塞すると、この排出ルートがふさがれた状態になります。


行き場を失った涙は涙嚢(るいのう)と呼ばれる袋状の部分にたまり続けます。
滞留した涙の中では細菌が増殖しやすく、炎症性の分泌物、つまり目やにが産生されやすくなります。

涙目と目やにが同時に起きるのはこのためです。
結膜炎とよく似た見た目になることもありますが、抗菌薬の点眼だけでは根本的な解決にならない点が大きく異なります。

自然に治る?年齢別の自然治癒率

先天性鼻涙管閉塞は、適切な時期まで経過を見ることで自然に治癒することが多い疾患です。

 

生後6か月までに約70%の赤ちゃんで鼻涙管が自然に開通するとされており、1歳の誕生日を迎えるころまでには約90%が治癒するというデータが報告されています。

 

つまり、多くの場合は1歳になるまで慎重に経過を観察することが合理的な選択肢といえます。

 

ただし、「待てる」のはあくまで感染が繰り返されず、涙嚢炎などのトラブルが生じていない場合に限られます。

目やにや涙目が続いていても全身状態が安定していれば、まずは自然治癒を期待しながら涙嚢マッサージを行い、定期的に眼科で状態を確認していくことが一般的です。

 

1歳を過ぎても症状が改善しない場合、自然治癒の可能性は急速に低下します。

この時期を過ぎたら、プロービング(ブジー)などの処置を具体的にご検討ください。

放置するとどうなる?涙嚢炎・目の発達への影響

放置するとどうなる?涙嚢炎・目の発達への影響

「様子を見ていれば大丈夫」と思いがちですが、治療が必要なサインを見逃すと、より深刻な状態に進展することがあります。

 

最も注意が必要なのが涙嚢炎(るいのうえん)です。

涙嚢にたまった涙の中で細菌が増殖し、炎症が起きた状態で、目頭の周囲が赤く腫れる・押すと膿が出るといった症状が現れます。

 

放置すると周囲の組織に感染が広がるリスクがあるため、早急な抗生物質治療や外科的処置が必要になります。

 

また、涙目の状態が長期間続いた場合、まれに視力発達に影響が出る可能性も否定できません。

赤ちゃんの視力はおおむね1歳半〜2歳ごろにかけて急速に発達するため、この時期までに涙道の問題を解決しておくことが望ましいと考えられています。

 

1歳を超えても症状が続いている場合は、涙道の自然治癒を期待するよりも、積極的な治療への切り替えを眼科でご相談ください。

治療の選択肢と時期

治療の選択肢と時期

先天性鼻涙管閉塞の治療は、お子さんの年齢・症状の程度・これまでの経過によって段階的に選択します。

家庭でできるマッサージから始まり、必要に応じてクリニックや病院での処置・手術へと進んでいくのが一般的な流れです。

 

以下では、それぞれの方法について詳しくご説明します。

 

 

①涙嚢マッサージ(生後すぐ〜家庭でできる)

涙嚢マッサージは、家庭で日常的に行える最初のステップです。
涙嚢を圧迫することで内圧を高め、鼻涙管の末端に残る膜を自然に開通させる効果が期待できます。


正しいやり方は以下の流れで行います。


  1. ・手をよく洗い、清潔な状態にする
  2. ・目頭のやや下(鼻の付け根あたり)に人差し指の腹をあてる
  3. ・鼻の方向へ向かって、やさしく押し下げるように5〜10回圧迫する
  4. ・これを1日2〜3回、授乳前などのタイミングに合わせて継続する

力を入れすぎると赤ちゃんが痛がるうえ、効果も下がります。
あくまでやさしく、一定のリズムで行うことがポイントです。


効果が期待できるのは主に生後6か月までで、自然治癒率の高いこの時期に並行して続けることが推奨されています。

マッサージを続けても目やにや腫れが悪化する場合は、涙嚢炎の疑いがあるため、すみやかに受診してください。

 

 

②プロービング・ブジー(探針)(生後6か月〜1歳が目安)

マッサージを続けても改善しない場合、あるいは1歳に近づいても症状が残っている場合に選択されるのがプロービング(ブジー)です。

細い金属製の探針(ブジー)を涙点から涙道に挿入し、閉塞している膜を物理的に開通させる処置です。


処置の流れは以下のとおりです。


  1. ・麻酔を行う(年齢・施設により局所麻酔または全身麻酔を選択)
  2. ・細い探針を涙点から涙嚢・鼻涙管へと通す
  3. ・末端の閉塞部分を貫通させて開通を確認する
  4. ・生理食塩水で涙道を洗浄し、通水を確認して終了

生後6か月〜1歳が処置の目安とされており、この時期であれば成功率は比較的高く、初回の成功率は70〜90%程度と報告されています。
1歳を過ぎると周囲組織が発達し、処置の難度が上がるとともに成功率がやや低下する傾向があります。


局所麻酔で行える施設もありますが、赤ちゃんが動いてしまうリスクを考慮し、全身麻酔で行う施設も多くあります。
どちらが適切かはお子さんの状態や施設の体制によって異なるため、担当医と十分に相談することが大切です。


また、直接観察せずに行う盲目的な治療には注意が必要です。
閉塞部を正しく穿通できず、鼻涙管や涙小管壁を損傷するリスクがあります。
不適切な損傷が生じると、以後の治療が困難になる点も覚えておいてください。

 

 

③涙道内視鏡手術・チューブ留置(1歳以上・再発例)

プロービングを行っても再閉塞した場合や、1歳以上で初めて処置を受ける場合は、より確実に涙道を開通・維持するための方法が検討されます。


その代表的な選択肢が涙管チューブ挿入術(シリコンチューブ留置)です。
プロービングで開通させた涙道に細いシリコン製のチューブを通し、数か月間留置することで再閉塞を防ぎます。
チューブは外来で抜去でき、留置中も見た目への影響は最小限です。


さらに複雑な閉塞や再発例では、涙道内視鏡を用いた処置が選択されることがあります。
細径のカメラを涙道内に挿入し、閉塞部位を直接確認しながら処置を行うため、より精度の高い治療が可能です。


これらの処置は全身麻酔下で行うことが一般的で、入院が必要となる場合もあります。
手術の適応や施設の選択については、涙道専門の眼形成外科医へのご相談をおすすめします。

赤ちゃんへの全身麻酔は安全?

赤ちゃんへの全身麻酔は安全?

プロービングや涙管チューブ挿入術を全身麻酔で行うと聞き、「赤ちゃんへの全身麻酔は大丈夫なの?」と心配になる親御さんは非常に多くいらっしゃいます。

不安を感じるのは自然なことです。

 

現在の小児麻酔は技術・薬剤・モニタリング機器のいずれも大きく進歩しており、適切な施設・麻酔科医のもとで行われる短時間の全身麻酔は、全般的に安全性が高いと評価されています。

 

涙道処置にかかる麻酔時間は通常15〜30分程度と短く、健康な赤ちゃんにとっての身体的負担は限定的です。

 

ただし、全身麻酔にリスクがないわけではありません。

アレルギー反応・呼吸への影響・術後の嘔気などが生じる可能性はゼロではなく、術前の健康状態の確認や、麻酔科医との事前説明が欠かせません。

 

近年は、乳幼児期の繰り返しの全身麻酔が脳発達に与える影響について研究が進んでいます。

現時点では単回・短時間の麻酔で明確な悪影響が生じるという結論は出ていませんが、不必要な麻酔を避けることは引き続き重要な考え方です。

 

処置の必要性・タイミング・麻酔方法については、担当医と丁寧に話し合い、納得のうえで進めてください。

赤ちゃんの涙目治療おまかせください

赤ちゃんの涙目治療おまかせください

まぶたとなみだのクリニック千葉では、涙道内視鏡をはじめとする専門的な設備を備え、涙目・涙道疾患の診療に特化した体制を整えています。

 

当院では、可能な限り全身麻酔ができる1歳後半までは経過を観察します。

その後、涙道内視鏡を使用した精度の高い治療を実施しています。

 

赤ちゃんや小さなお子さんの涙目は、原因の見極めと治療のタイミングが特に重要です。

当クリニックでは、お子さんの状態を丁寧に確認したうえで、「今すぐ処置が必要か」「もう少し経過を見てよいか」を親御さんと一緒に判断していきます。

 

押しつけではなく、ご家族が納得できる選択肢をご案内することを大切にしています。

涙目・目やにが続いてご心配でしたら、まずはお気軽にご相談ください。

涙目・流涙症のお悩みは
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※東京・大阪・京都・千葉・新前橋の5医院、2025年1年間での症例対応件数


先天性鼻涙管閉塞は、適切なタイミングでの治療が大切です。「いつ治療すればいいか」「様子を見てよいか」など、不安なことがあればまずはご相談ください。

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