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はじめてのESOPRS
今回のブログはイタリア第3の都市ナポリからお届けしてます。
初めてESOPRSに参加しました。
APAOや1st Asia-Pacific Orbital Disease and Thyroid Eye Disease Meeting 2023はアジア規模の学会のため、なんとなく距離が近くてみーんな友達みたいな雰囲気でした。新参者の僕も受け入れてくれたように思いました。
しかし、ヨーロッパ学会は全然違う雰囲気です。
アジア人で参加しているのが各国から1-3人程度しかおらず、特にナポリは街を歩いてもほぼアジア人がいません。
めっちゃアウェイですし英語がまだまだ堪能とは言えないので緊張しますが、新しい知識や経験は本当に素晴らしいです。
自分は今回oral presentationは落ちてしまいましたが、e-Posterでアクセプトされました。
次は是非oralで参加したいです。
学会3日間の初日である本日はpre-meeting courseという総論に近いような内容でした。
話していることを理解するだけで非常に疲れますが、今日見てて面白かった内容を共有します。
まずは眼形成外科医なら一度は見たことであるであろうこの手術動画サイト
まず第一に前葉と後葉をわけることです。
前葉と後葉は必ずわけることです。
前葉と後葉は弛緩の程度が異なることが多く、また血流の関係から別々に再建しなければならないので前葉後葉は必ず分離します。
再建の順番は必ず後葉からです。常に不足しやすいのは後葉なのでそちらを再建すれば前葉は如何ようにでも再建できます。
また、前葉 後葉を分離して再建すると多くの場合前葉に垂直方向の瘢痕を作らなくてもよくなります。
部位に応じて
下眼瞼外側の欠損は
Rimの骨膜を利用して外眥靭帯再建する。
中央の欠損
前葉と後葉を分離してから後葉のdefect部位を縫い寄せる。
内側の欠損
Cantholysisして後葉を有茎皮弁としてから、前葉と後葉を分離を行います。
その後、後葉の有茎皮弁をmediarに移動させて、Hewes flap or 骨膜を利用したcanthoplastyで再建する。
文章で書くと難しいですが上記のように再建すると非常にわかりやすいです。
Hewes flapてなんぞよ?という方はこの論文を見てみてください。
この方法は三村先生から教わったことでしたが、今回の発表と繋がってとても興奮しました。変態ですね。
もう一人興味深かった先生はAthensのGeorge Charonis先生です。
instagramでちょこちょこキレイなlower eyelid blepharoplastyについて投稿している先生です。
https://www.instagram.com/georgecharonis/?hl=ja
方法は典型的なGordberg先生のTransconjunctival Orbital Fat Repositioningです。
皮膚切開よりも経結膜を好むようでした。
やり方はオキュロとすごく似ていましたが、
違うコンセプトでやってたのは
下斜筋をきれいに出して、mediar fat padとcentral fat padが下斜筋の奥でスムーズに動く状態にしてからrepositionするというものでした。
これに関して理由を本人に質問したのですが、上方視した時の下方への牽引が解除されてより平坦に近い下眼瞼になる との回答でした。また、Canthopexyを度々併用するようで、糸は5-0マクソンを使っていました。
lower eyelid blepharoplastyは色々なやり方はありますが、鹿嶋先生含めて世界の手術件数の多い先生のコンセプトは大きく異ならないのかなと思いました。
初日はこんなところでしょうか。
明日も英語と眠気と戦いながら望みたいと思います。またよろしくお願いします。
最後にナポリの絶景の写真を投稿して終わります。ありがとうございました。
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著者情報
菊地 良
Ryo Kikuchi経 歴
2016年 | 弘前大学医学部 卒業 |
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2016年 | 青森県むつ総合病院初期研修医 |
2018年 | 亀田総合病院 眼科 常勤 |
2020年 | オキュロフェイシャルクリニック東京 |
2020年 | 新前橋かしま眼科形成外科クリニック |
2024年 | まぶたとなみだのクリニック 院長 |