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Lateral orbitotomy with rim removal
Berke切開について
今日もよろしくお願いします。
専門医試験が終わって3ヶ月経ちましたが、専門医前よりも忙しい日々を送っております。
①学会活動
②論文執筆
③眼形成の啓蒙・後輩指導
④ひたすら手術
が当面の目標です。
だんだん患者様伝いで紹介をいただける機会が増えてきました。
また、房総〜外房地区の開業医の先生方から紹介をいただけるようになってきました。
本当にありがたい限りです。最近自分一人で頑張っていても救える患者様の数はたかが知れてるなぁとつくづく思います。
手間でも地方会や患者様への啓蒙、後輩指導ってすごく大事だと感じる今日頃ごろでございます。
さて本日はBerke切開からのKrönlein手術についてです。
最近骨の手術ばっかりしてます。いったい自分は何科医なのだろうと戸惑う時もあります。
しかし、未知の分野の手術に挑むのは非常に血沸き肉踊ります。
そもそも外壁切除を要する眼窩手術の適応ってどういうのがあるのでしょうか?
こちらの教科書によると
①最大限の眼窩減圧術
②筋円錐内へのアクセスの必要性
③眼窩先端部病変に対する眼窩内壁切除との併用
とされています。
減圧術の場合以外は骨は一度外してまた戻します。
外壁を切除する時は重瞼線切開が望ましいです。重瞼切開のKrönleinの一番いい適応は涙腺腫瘍などの眼窩外上方の巨大腫瘍かと思われます。
Berke切開の場合、
①眼輪筋を分断してしまう
②瘢痕が目立ちやすい
などのデメリットがあります。
今回執刀させていただいた症例では腫瘍が筋円錐内の下方にあったため、重瞼切開では到達しづらい可能性があったためBerke切開としました。
骨を外す時の注意は
①頬骨側頭神経の損傷
②頭蓋内への侵入
です。
上方の骨切りを行う時は、頭蓋内への侵入を防ぐため15度尾側に傾けてbone sowを用いると良いとのことです。
術後起こりうる合併症には下記があります。
今回は患者様の許可をいただいたので顔写真などを掲載させていただきます。
術前と術後1週の写真です。長年の巨大な眼窩腫瘍のため眼瞼が引き伸ばされて下垂になってますが、だいぶスッキリした目つきになりました。
眼球の裏にこんな腫瘍があったなんて驚きでした。切除できた時は手術室中にワッと歓声が広がったのを覚えています。
このような悩みを持った方々は眼形成眼窩外科医である僕らにしか治してあげられないです。
怠惰にならず今後も継続学習です。今日もありがとうございました。
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著者情報
菊地 良
Ryo Kikuchi経 歴
2016年 | 弘前大学医学部 卒業 |
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2016年 | 青森県むつ総合病院初期研修医 |
2018年 | 亀田総合病院 眼科 常勤 |
2020年 | オキュロフェイシャルクリニック東京 |
2020年 | 新前橋かしま眼科形成外科クリニック |
2024年 | まぶたとなみだのクリニック 院長 |