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先天性鼻涙管閉塞について part 2
今日もよろしくお願いします。
最近鮨にハマっております。
今の給料だとなかなか銀座の鮨は厳しいですが、新富町から築地へと隅田川へ近づけば近づくほどコスパの良い鮨屋が多い気がします。先日築地のお鮨屋さんに行ってまいりました。
銀座からは少し遠いですが、リーズナブルなお値段で熟成鮨が食べられます。googleの評価は本当に信用できます。
個人的にはオススメです。築地まで足を運ぶことがあれば是非。 目指せ銀座鮨です。
本日はまた先天性鼻涙管閉塞(Congenital Nasolacrimal duct obstruction、以下CNLDO)についてです。
前回はCNLDOの病態、治療について説明しましたが、今回は自然寛解や治療介入のタイミングについてまとめたいと思います。
下記論文から引用です。
Sathiamoorthi, S, et al; Spontaneous Resolution and Timing of Intervention in Congenital Nasolacrimal Duct Obstruction: JAMA Ophthalmol. 2018 Nov 1;136(11):1281-1286.
1998人の乳児をretrospectiveにレビューした大規模コホート研究です。
上記の図は全体で自然寛解しなかった割合を調べたグラフです。
これをみると月齢9ヶ月くらいまでは急速に自然寛解していきますが、その後から自然寛解の割合が少しずつプラトーになっていくのがわかると思います。
上記の図は特定の年齢以降に自然寛解が得られた数を調べたグラフです。
やはり9歳までは右肩下がりですが、それ以降は最終的には自然寛解していないことがわかると思います。
またプロービングの成績ですが、15ヶ月以上でプロービングした場合とそれ以前でプロービングした場合だと成功率に差があるのがわかると思います。
以上から外科的介入は9ヶ月〜15ヶ月の間に行うことが適切でしょう。
というのがこの論文の結論です。
ちなみに性差ですが、男児の方が早期の自然寛解が得られる傾向のようです。
これは男性の方が女性よりも骨性鼻涙管が0.35mm太いことが理由として挙げられています。
両眼性よりも片眼性の方が自然寛解時期が早くなる傾向にあります。
こういう知識をみなさまの診療の足しにしていだければと思います。
話は変わりますが、先日下眼瞼後退に対してLER延長+lateral tarsal stripを経験いたしました。
下眼瞼睫毛下皮膚を切開し、瞼板下縁にアプローチしLERを切離します。
その後結膜に穴を開けないようにLERと結膜を剥離していきます。
手技としては結膜とMullerの剥離と似ていますが、LERの方が脆い組織であるためスプリング剪刀でこそぐように剥離します。
LERは脆い組織であるため、牽引をしっかりかけることが大事です。
牽引のポイントは2つあります。
1.皮膚切開を左右に広く行うこと
2.牽引糸をgray lineにかけること
です。
Lockwood ligamentを乗り越えて強膜が透けて見えるところまで前後左右に広く剥離します。
その後ベリプラストを用いて固定します。
※閲覧注意 手術動画です 医原性裏ハムラ後下眼瞼後退修正 Corrective surgery for iatrogenic lower eyelid retraction
当チャンネルでは若手医師の教育のために手術動画をアップしています。手術動画が苦手な方は見ないようにしてください。
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著者情報
菊地 良
Ryo Kikuchi経 歴
2016年 | 弘前大学医学部 卒業 |
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2016年 | 青森県むつ総合病院初期研修医 |
2018年 | 亀田総合病院 眼科 常勤 |
2020年 | オキュロフェイシャルクリニック東京 |
2020年 | 新前橋かしま眼科形成外科クリニック |
2024年 | まぶたとなみだのクリニック 院長 |