BLOG医院ブログ
裏ハムラについて 〜文献を元に〜
今日もよろしくお願いします!
先日亀田総合病院の患者様から伊勢海老とサザエを頂きました!
千葉県の南の房総地区では浜焼き屋さんがたくさんあります。
房総地区ではサザエ、トコブシ、アワビ、伊勢海老などたくさんの魚介類が漁獲されます。
患者様からたまに頂けるのですが本当に美味です。
可愛らしいおばあちゃまがくれる袋の中には、食べやすいようにボイル後に冷凍した伊勢海老が丁寧に包んで入ってあります。
そういう気遣いに僕の心がボイルされます。
さて本日はまたまたハムラについてです。
最近執刀させていただける機会が多いのでご報告します。
ポイントは前回と変わらず
①orbicularis retaining ligamentをしっかり骨から外すこと。
②ligamentが再度癒着しないようにorbital fatをspacerとして固定する。
なのですが、細かい点について紹介します。
いわゆるeyelid bagは何によって規定されているのか調べた論文によると
1)Goldberg RA, McCann JD, Fiaschetti D, Simon GJB. What causes eyelid bags? Analysis of 114 consecutive patients. Plast Reconstr Surg. 2005;115:1395–1402.
6つのカテゴリーがeyelid bagの解剖学的成因となっていることがわかりました。
1. tear trough
2. orbital fatの脱出
3. 皮膚弛緩
4. 眼瞼浮腫
5. 眼輪筋の突出
6. Malar mound, festoon
その中でも1, 2, 3が特に大事で、手術を推奨する判断基準となるとのことでした。
2と3が特に審美的に寄与率が高いということがわかりました。
また放射線科の奥田先生の発表も面白かったです。
2)Itsuko Okuda, et al. Using Multidetector Row Computed Tomography to Evaluate Baggy Eyelid. Aesthetic Plast Surg. 2012; 36(2): 290–294.
baggy eyelidをmulti-detector-row CTを用いた画像診断によって
1. 眼輪筋の厚さ
2. orbital fatの脱出の長さ
3. 年齢
の関係を明らかにするというものでした。
上記によると年齢に応じて眼輪筋の厚さは薄くなり、当然ながらorbital fatの脱出の程度は強くなっていきます。
また、眼輪筋の厚みが減少するとorbital fatの脱出の程度が強くなっていくという相関関係がわかりました。
これらのことを手術時に応用するとすれば
orbital fatを移動させるときはtear troughを意識して内側の処理をより念入りに行うこと
よりflatな下眼瞼を目指すためにシート状に広く長くfatを固定すること
がポイントです。
内側のligamentを特に重点的に外し、そのligamentの直下に確実に脂肪をおいてくることが綺麗な下眼瞼につながると思います。
皮膚弛緩があるのであれば皮膚切除も行えば良いのではないかという意見もあると思うのですが、それは僕の中で結論が出ていないので今後考えていこうと思います。誰か答えを知っていたら教えてほしいです。
先日youtubeにて鹿嶋先生主導の元、オンライン勉強会をさせていただきました。
自分は「局所麻酔手術の患者さんの身体的負担を減らす方法」のセクションでの発表でした。
お見苦しい点があるかと思いますが、何かの肥やしになればと思います。ぜひご覧ください。
今年は残暑もなく急に冷え込んでまいりました。みなさま体調管理にお気をつけてお過ごしください!
今日もありがとうございました!!
関連記事
「ドクター紹介」を詳しく見る
「初めての方へ」を詳しく見る
「治療案内」を詳しく見る
「手術件数」を詳しく見る
「アクセス・医院情報」を詳しく見る
著者情報
菊地 良
Ryo Kikuchi経 歴
2016年 | 弘前大学医学部 卒業 |
---|---|
2016年 | 青森県むつ総合病院初期研修医 |
2018年 | 亀田総合病院 眼科 常勤 |
2020年 | オキュロフェイシャルクリニック東京 |
2020年 | 新前橋かしま眼科形成外科クリニック |
2024年 | まぶたとなみだのクリニック 院長 |