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裏ハムラについて
今日のテーマは「梨」です。
千葉県って気候条件、土壌条件が梨の栽培に適しております。
千葉県では8-9月に梨の旬が来ますが、ちょうど蒸し暑い時期に旬が重なるためとてもおいしく感じます。
実は千葉県の梨栽培は江戸時代が最初と言われております。現在の市川市の八幡地区がルーツらしいです。
この地区の梨は江戸へ運ばれて高級品として扱われていたとのことです。
特に徳川末期では関東最大の梨産地として栄えていました。
現在でも梨栽培が盛んで一番有名なのが「幸水」「豊水」と言われる品種です。
この時期になると色々な方から梨を頂けます。ありがたい限りです。
頬張ると口から溢れ出すほどの果汁に驚かされます。
その果汁も芳醇であり、シャクシャクした果肉の感触が香りをさらに際立たせます。
機会があれば一度お買い求めください。
下眼瞼脂肪ヘルニアについて先週は病態の話をしました。
今回は実際の治療法である裏ハムラ法について説明したいと思います。
ポイントは2つです。
①orbicularis retaining ligamentをしっかり骨から外すこと。
②ligamentが再度癒着しないようにorbital fatをspacerとして固定する。
この2つに尽きます。
図解すると下記の通りです。
オキュロフェイシャルクリニック東京HP より抜粋
まず麻酔が大事な手術です。
V2の支配領域を非常に広くいじりますので頰部の骨から皮下にかけてを広い範囲で麻酔しないといけません。
特に鼻の横側が特に痛いところですのでそこまでしっかり麻酔をかけます。
下眼瞼結膜・LERを切開し、orbita内に入ります。
そこから下方rimに到達しますが、下壁骨折の結膜アプローチと違い眼窩隔膜を開けてアプローチするため比較的容易に下方rimに到達できます。下方rimから上顎骨・頰骨の前面にアプローチする時に眼窩内から静脈が出ていることがあるので事前に焼灼しておくと便利です。
ここで①のポイントです。orbicularis retaining ligamentをサイドに広く確実に外すことです。
当院ではエレバラスパを使用しています。
この靭帯がフリーにならないと必ず再発します。
次にorbital fatの操作に入ります。
下眼瞼のorbital fatは内側・中央・外側の3つのfat padに分かれます。
内側と中央は下斜筋、中央と外側はarcuate expansionと呼ばれる弓状線維で分けられます。
上記の図におけるnasal fat padとcentral fat padを利用します。
下斜筋を同定し、nasal fat padとcentral fat padを分離します。
orbital fatには被膜があり、それとfat自体を分離しないとfatがfreeにならないので「服を脱がすように」剥離します。
その次にfatを固定するのですが、この時に②のポイントが大事になります。
二つのfat padを放射状に配置してligamentが再度癒着しないようにspacerとして置いてくることです。
この操作が甘いと治りません。(先日術後再発の症例を経験して学びました…涙)
fatに牽引糸をつけてligamentの位置を乗り越えてできるだけ下方にfatを固定するように心がけましょう。
固定後はベリプラストを散布しfatを固定します。
仕上がりの目安はもともとヘルニアだった部位がむしろ凹み、骨前面が膨らむようになればばっちりです。👍
固定後もそれで終わりではありません。
下眼瞼結膜の位置を修正しないと、後葉の癒着短縮が起こり術後entropionの原因となりますのでご注意を!
(僕もやりました…涙)
今日は以上です。綺麗な下瞼を目指しましょう!
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
コロナニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
頑張っていきましょう!
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著者情報
菊地 良
Ryo Kikuchi経 歴
2016年 | 弘前大学医学部 卒業 |
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2016年 | 青森県むつ総合病院初期研修医 |
2018年 | 亀田総合病院 眼科 常勤 |
2020年 | オキュロフェイシャルクリニック東京 |
2020年 | 新前橋かしま眼科形成外科クリニック |
2024年 | まぶたとなみだのクリニック 院長 |