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眼窩内腫瘍について
今日もよろしくお願いします!
みなさま「とこぶし」ってご存知でしょうか?
僕は青森生まれのりんごほっぺの超田舎者です。青森の魚介類も最高に美味しいですが、千葉も海産物が豊富でいろんな美味しいものが獲れます。それの一つがとこぶしです。
「とこぶし」とは、「あわび」と同じミミガイ科の一種であわびより一回り以上小さく、成長しきったものでも長さは7cm程度の大きさです。こんなやつです。↓
これがですね。絶品なんですよ。僕はあわびより美味しいと思います。
今あたりが丁度旬で鴨川のお寿司屋さんに出回ります。姿煮が本当に美味しいです。
肝に至っては酒がいくらあっても足りません。なかなか市場に出回らないようですが一度ご賞味を。
さて本日は眼窩内腫瘍です。
ついに僕も眼窩内腫瘍にまで手を出すようになりました。
腫瘍はあまりにも多様性があるため語り尽くせませんが今回執刀の機会を得たのでお話します。
眼科でたまに出会うにもかかわらずどうしていいかも、どこに送っていいかもわからないのが眼窩内腫瘍です。昔は外来で腫瘍の患者様がいらっしゃると「どうしようか……」と頭を悩ませていましたが、今はキュンキュンの対象です。
眼窩腫瘍の疫学は下記の通りです。
笠井 健一郎:眼窩腫瘍の鑑別診断のコツ.臨眼 72(2):170‒181, 2018
画像検査での鑑別の仕方は上記の笠井先生の論文がわかりやすいので一度ご覧になってみてください。
今回は外直筋膜内にある深在性眼窩腫瘍を切除を行いました。大きさがそれなりにありましたので、lateral canthotomy+結膜切開を行い腫瘍本体にアプローチしました。今回はlateral canthotomyのみで全摘できましたが、もしスペースが足りなければswinging eyelid approachを行なっていたかと思います。
swinging eyelid approachとはなんじゃい???という方は鹿嶋先生の動画を見てみてください。
手術動画「経結膜眼窩腫瘍摘出」
※注意:手術動画になります。
眼窩手術は視野が非常に大事になってきますので止血をしっかりしておきましょう。
外眼筋膜下の腫瘍は筋線維を切らないように筋線維に剃って切ります。
ちなみに刺身は筋繊維に対して直角に切らないと筋が残ります。
すると腫瘍本体が出てくるので、皮膜を破らないように周囲組織と剥離していきます。このときに5-0シルクで腫瘍自体に糸をかけて牽引すると剥離しやすいです。この時注意なのが糸をしっかり深く2、3回くらいかけることです。浅くかけると腫瘍がすぐに崩れてしまいますのでご留意を。
腫瘍がとれたら縫合に入ります。
lateral tarsal stripと違ってlateral canthotomyだけだとtensionがほとんどないため、真皮縫合せず表面を合わせるだけで十分です。
今日は以上です!病理結果が楽しみです!
ありがとうございました!
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著者情報
菊地 良
Ryo Kikuchi経 歴
2016年 | 弘前大学医学部 卒業 |
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2016年 | 青森県むつ総合病院初期研修医 |
2018年 | 亀田総合病院 眼科 常勤 |
2020年 | オキュロフェイシャルクリニック東京 |
2020年 | 新前橋かしま眼科形成外科クリニック |
2024年 | まぶたとなみだのクリニック 院長 |