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涙囊鼻腔吻合術について
今日もよろしくお願いします!
生まれて29年間ずーーーーっとダイエット中の菊地です。ダイエット歴が29年続きそろそろベテランと呼べるところまで来たかと思います。周りを見て29年間ダイエットを続けている人がいるでしょうか?いやいないと思います。
ダイエットなんて簡単ですよ。僕は何回もやってます。
僕は相当努力家だと思います。
ちなみに今日は焼肉を頬張りました。冷麺と石焼チーズビビンバも追加しました。
ダイエット歴が30年になりそうです。またダイエットベテランに一歩近づきました。引き続き頑張ります。
涙囊鼻腔吻合術について
さて本日は涙囊鼻腔吻合術鼻内法についてです。
眼科医になったときはよもや骨を削ることとは思わなかったです。
よもやよもや。柱として不甲斐なし。
言いたかっただけです。
涙囊鼻腔吻合術(以下DCR)。そもそも見たこともない先生方も多いのではないでしょうか?
僕は亀田総合病院で研修してて名前も知らなかったです…。お恥ずかしい。
流涙の治療と言うと思い浮かぶのはチューブ挿入かと思います。
涙道閉塞であれば内視鏡で閉塞部位を穿破すれば開通が得られます。その場合はチューブを留置すると改善が得られます。
チューブ挿入されている先生方ならわかると思いますが、チューブで治る人ってそんなに多くないの気がします。
一度治ってもすぐに再発したり、そもそもチューブ挿入していても流涙が続いていたりと結構難渋することが多いです。
そういう症例って結構鼻涙管が狭くなっていることが多いです。
閉塞と違い、狭窄の場合はチューブではほとんど改善しないです。
そんなときのDCRです。
鼻腔と涙囊を直接吻合させるため手術成績は90%以上と言われています。
成功率の高い手術でいいじゃん!と思いますが、成功率の高い手術ほど再発すると極めて悔しいです。
ポイントは大きく二つあるかと思います。
1つ目は骨窓の大きさです。
当然ですが、小さい骨窓だと再閉塞してしまうためある程度の大きさが必要です。
大きさについて決まった指標はないですが、上縁は内総涙点の高さまで骨窓を拡大すると再発率が低下します。
(まだまだちっちゃい骨窓しか作れなくて奮闘の日々です…!)
2つ目の涙囊切開の仕方です。
骨窓作成後に涙囊を切開しますが、涙囊内腔を観音開きに展開すること(marsupialization)が大事です。鼻内法でも鼻外法でもこの手技をしっかり行うことが再発率の低減につながります。当院ではそれに加えて最後にボルヒールを散布して、さらに観音開き状態で固定させる手技を追加しております。
細かいポイントは他にもありますが、上記を忠実に行えば再発率の低減に大きく寄与できると思います。
術後は鼻出血が怖いです。高齢と涙嚢炎の既往があれば術後鼻出血の遷延のリスクが上がると言われています。
抗血栓薬の中止の可否についてですが、当院では必ずしも中止を行なっておりません。
Wendy Smith, Christos Merkonidis, Mark Draper, Matthew Yung: Endoscopic dacryocystorhinostomy in warfarinized patients. Am J Otolaryngol. 2006;27(5):327-9.
Wendy Smith, Christos Merkonidis, Matthew Yung: Endoscopic dacryocystorhinostomy in patients with taking aspirin perioperatively. Am J Otolaryngol. 2006;27(5):323-6.
鵜呑みはいけませんが上記の論文によると、バイアスピリン、ワーファリン使用患者において必ずしも抗血栓薬の中止は必要ないのかもしれません。実際当院でも重篤な鼻出血はほぼ起きていません。ご参考にしていただけたら幸いです。
今日は以上にします。ステイホームですが、皆さん油断せずスリムアップに努めましょう。
今日もありがとうございました!
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著者情報
菊地 良
Ryo Kikuchi経 歴
2016年 | 弘前大学医学部 卒業 |
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2016年 | 青森県むつ総合病院初期研修医 |
2018年 | 亀田総合病院 眼科 常勤 |
2020年 | オキュロフェイシャルクリニック東京 |
2020年 | 新前橋かしま眼科形成外科クリニック |
2024年 | まぶたとなみだのクリニック 院長 |