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眼瞼下垂手術の適応・術式選択について
今日もよろしくお願いします。
最近筋トレ・減量にハマっているのでラーメンは食べておりません。すいません。
もっぱら「緑の濃い野菜」「玄米」「質のいい油」「タンパク質」「大量の水分」「食物繊維」「ヨーグルト」ばかり食べています。ジャンクなものを食べる日も設けていますが、上記の食事の方が明日に繋がります。当院は医師もスタッフも患者も美的に優れている方が多いので自分も追いつけるように頑張ります。
昨日今更ですが、「The Greatest Showman」観ました。最高ですねあの映画。
興行師である主人公が奇怪なルックスのスタッフを集めて博物館やサーカスを始めます。当時は「いかがわしい」「低俗だ」などと言われ卑下されていましたが、終盤になると家族や仲間・世間に認められていき、本当の成功・幸福を手にするというストーリーです。序盤に新聞でショーを酷評されるシーンがあるのですが、それを逆手に取り「新聞を持参した人は入場料を半額にします」と広告を出すというの皮肉な対応策が個人的に滑稽でした。人間常になんらかの逆境に晒されていると思いますが、荒波を悠々自適に乗り越えるメンタルを教わりました。まだまだ若造ですが、逆境をどこか楽しむように笑顔で乗り越えます。(診療中ニヤニヤしがちなので気をつけます。)
眼瞼下垂について
さて今日は眼瞼下垂についてです。
当院では下垂手術に対してblepharoplasty、aponeurosis(一部ミュラー)による挙筋前転術、吊り上げ術(ナイロン糸、ゴアテテックス)、眉毛下皮膚切除などを施行しております。
まだまだ適応範囲についてはわかっていない部分も多いですが、まず「下垂があるのかな??」と思った時には上方視時に瞼縁の下垂があるがどうかを診るべきと教わっております。正面視のMRD-1の評価だけだと皮膚弛緩なのか、levator complexの下垂なのかがよくわからないです。
上方視した時に瞼縁が上がっており皮膚だけが弛緩している場合は、levator complexの短縮は不要でBlepharoplastyや眉毛下皮膚切除が適応になります。
上方視した時に瞼縁が下がっている、もしくは左右差がある場合は、aponeurosisによる挙筋前転術、もしくは吊り上げ術が適応になります。
Blepharoplastyと眉毛下皮膚切除の選択の仕方は、皮膚弛緩のある範囲が上眼瞼全域であればBlepharoplasty、範囲が上眼瞼の頂点より外側であれば眉毛下皮膚切除を選択します。加えて、眉毛下皮膚切除は極力重瞼がある人に勧められます。重瞼がない人はBlepharoplastyを行っておいた方が無難かと思われます。
挙筋前転術と吊り上げ術の選択の仕方は、挙筋機能が保たれていれば挙筋前転術、保たれていなければ吊り上げ術を選択しています。判断に悩んだ時はとりあえず挙筋前転術からトライしてダメだったら吊り上げをしましょう、としっかりムンテラしておけば問題ないかと思います。そのため術前の挙筋機能検査は必須を言えると思います。(最初はよく測定を忘れて注意をしていただきました。)
挙筋前転術はaponeurosisのみ前転するか、ミュラーも含めて前転するかは術中の上眼瞼の上がり具合で決めます。aponeurosisの短縮のみでどうしても上がらなければ、ミュラーと結膜を剥離してapoとミュラーの両方を短縮します。ミュラーは支配神経が違いますので剥離する前に必ずミュラーに麻酔をかけましょう。患者様に痛い思いをさせるのはお互いにとって不利益です。ミュラー剥離時は動脈弓に注意して鈍的剥離をします。結膜は硬い組織なので感触で切り分けると良いです。また、ミュラーの血管は横、結膜の血管は縦に走っているためそこでも見分けられます。結膜に穴が開いたとしても縫合は不要です。最後に5-0シルクでマットレス縫合して前転を行います。
眼形成手術は手術の美しさ・速さも大事ですが、それよりも診断が一番重要だと思います。
今日もありがとうございました。
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著者情報
菊地 良
Ryo Kikuchi経 歴
2016年 | 弘前大学医学部 卒業 |
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2016年 | 青森県むつ総合病院初期研修医 |
2018年 | 亀田総合病院 眼科 常勤 |
2020年 | オキュロフェイシャルクリニック東京 |
2020年 | 新前橋かしま眼科形成外科クリニック |
2024年 | まぶたとなみだのクリニック 院長 |